MA57 先人の教え

投稿者: | 2020年2月10日

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。今回は最終章「知って得するあんな話こんな話10話」です。

 

MA57 第6章 知って得するあんな話こんな話10話
(第4話)先人の教え

 

 

ある本について書こうと思います。

 

以前に知り合いになった人から、ボールルーム・ダンスやアルゼンチン・タンゴ、フォークダンスの話などをいろいろお聴きする機会が何度かありましたが、毎回のように、機会があればレン・スクリブナー(Len Scrivener)の本「ジャスト・ワン・アイディア」を読むよう勧められていました。

Just One Idea カバー

ちょうどその頃、関わっていたダンス雑誌で新しい企画が始まっていました。「一枚の写真から」と言うコーナーです。日本の著名なダンサーからお話を伺い、想い出の写真を紹介していただくのです。

 

1回目は、日本で唯一世界チャンピオンに輝いた鳥居弘忠・瑤子先生からスタートです。そして、4回目の毛塚道雄・雅子先生をインタビューしていたとき、思いもかけず、レン・スクリブナーの話が出ました。それで一層興味が湧き、それから少し時を経て本を購入しました。

 

レン・スクリブナーは1941年にターンプロし、49~52年の間、全英のチャンピオンになっています。彼の本は1983年に出版されていますが、厳密に表現すると、それはレン・スクリブナーのレクチャー内容を集め、ブライアン・アレン(Brian Allen)氏が編纂したものです。原書は絶版の希少本となり、それなりのお値打ちものになっていましたが、多くを学ぶことができたので買ったのは正解でした。そこで、せっかく手に入れたのですから、彼の言葉のひとつをご紹介したいと思った訳です。皆さんのお役に立つことを願って・・・・・・。

 

 

「社交ダンスには軽い運動とリラックス効用があります。ワルツとクイックで基本フィガーを3つも覚えたら一晩中楽しめますし、6つも覚えれば一般の人には十分。これはフォックストロットやタンゴにも言えることです。

 

でも大切なことはステップのパターンではなく、あなたがどう踊るかなのです。上手な人の踊りには優雅な身のこなしと良いバランスは欠かせません。練習を繰り返すことでリズムに合わせて軽快に動けるようにはなりますが、次のゴールデン・ルールを覚えておくと良いでしょう。

 

たくさんの複雑なステップを使ってひどい踊りをするより、少ないステップでも綺麗に踊れる方が良い」

(書籍より)

 

 

Len Scrivener and Nellie Duggan

 

 

インタビューに話を戻すと、毛塚先生はこのようなお話もされていました。

 

「レン・スクリブナーは日本のダンス創成期をガラッと変えたダンスの神様ですよ。タンゴを見た瞬間鳥肌が立ちましたよ。

 

昔、彼の家に行ったことがありますが、机に自分の技術理論とかアイディアを鉄筆で書いてあるんです。あの机、欲しかったなあ。買えるものなら買いたいです」。

 

とても良いお話をうかがえて、帰り道、幸せな気持ちに浸りました。

 

(「第6章 知って得するあんな話こんな話10話
(第4話)先人の教え」おわり)

 

ハッピー・ダンシング!