MA54 競技選手は偉いの?

投稿者: | 2020年2月6日

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。今回は最終章「知って得するあんな話こんな話10話」です。

 

 

MA54 第6章 知って得するあんな話こんな話10話
 (第1話)競技選手は偉いの?

 

 

「踊りに行って、競技会に出ている人に軽くあしらわれました。競技会って、そんなに偉いのですか?」と、泣き顔で聞かれたことがあります。

 

とても失礼な話です。

私も、人前で「自分は○級」と得意げに話すシーンを見たことがあります。

どうやら、そう言う人は競技ランクに目がくらんでいるようです。

 

競技会で勝ち進むのは容易なことではないでしょうが、例え素晴らしい成績を取ったとしても、それで知らない人を馬鹿にしていいことにはなりません。それはダンス以前に、人としてやってはいけないことです。

ダンスは楽しい。上手に踊れるともっと楽しい。でも、それだけのこと。人より偉いことも何もありません。競技会でのランクが上がったら、その分、人を楽しませてあげられなくちゃ!

 

競技会の話ではありませんが、パーティーに招待されたあるプロが、デモの前に一般の人と踊って交流を図ったところ、お誘いした年配の女性から踊りの注文を付けられたと言う話を聞いたことがあります。

笑い話にもなりません。

その人、後からデモを踊る先生を見て大いに自分を恥じたことでしょう。

 

私自身にも似たような経験があります。

タンゴでひっくり返りそうな形で組んできた初対面の老人に、「もっと、しっかりリードして!」と怒られた経験があります・・・・・・(汗)。

 

どちらのケースも、「自分は踊れる」という自信がそうした態度をとらせたのでしょうが、「社交」とは縁遠い話です。

 

これまた競技会の話ではなく、私の高校時代の古典の先生のお話です。

先生の大学時代、ある日、バスに乗り合わせた知らない女性のことを、友人とコソコソ話をしました。日本語だとばれるので、友人も知っている韓国語を使って。

暫くしてバスが停まると、その女性から降り際に、「韓国語が分かるのはあなたたちだけじゃないのよ」と言われ、先生と友人はどっと冷や汗をかいたそうです。

 

ダンスも人生と同じで、気をつけなければいけないことがたくさんありそうです。

 

パーティーではお互いに踊ってもらう訳ですから、
相手に注文をつけるなど、もっての外です。

(「第6章 知って得するあんな話こんな話10話
(第1話)競技選手は偉いの?」おわり)

 

ハッピー・ダンシング!