SB106 グレードアップするために(その2) (内回りの)ノー・フット・ライズはどう踊るの?

投稿者: | 2020年1月21日

この話はSB105 グレードアップするために(その1) 回転量の得方の続きです。

 

SB106 グレードアップするために(その2)
(内回りの)ノー・フット・ライズはどう踊るの?

 

 

女性はワルツにおけるナチュラル・ターン最初の3歩を、男性の足型図と比較してみると大きな違いに気づかれることでしょう。その違いは、

 

第1に、2歩目がLODの方向に向いてしまっていることです。従って、男性のようには1歩目と2歩目が平行になっていません。この点は「回転量の得方」で触れていますので省略します。

第2に、1歩目の所に何やら☆印が付けられていますが何のことでしょう? 

実はこれこそ、「もっと上手になりたい」と切望しているあなたが絶対に身につけねばならない基礎技術のひとつです。☆印は足型図の中で「NFR(ノー・フット・ライズ)」の場所に付けました。 

 

ノー・フット・ライズは直訳すると「足のライズはない」と言うことで、言い換えると「トウに上がってのライズはしません」と言うことです。そして内回りにおける回転では、ヒールで送ることもありません。

ワルツの女性のナチュラル・ターン前半を例に取ると、踊り方は次のようになります。

 

①1歩目をトウ、ヒールの順に使って普通に後退します。

②1歩目の状態(トウもヒールも床に着いた)のままで2歩目を振り出し、まずポイントします。体重はまだ1歩目に残っています。この時の開いた足の形は足型図を見てください。

③それからポイントした2歩目に徐々にライズして行きながら1歩目を寄せてきます。その時、1歩目トウで床を押してライズしようとしたり、ヒールで送ったりせす、《トウを床の上を滑らせながら寄せる》ようにします。 

 

これが内回りにおけるノー・フット・ライズの踊り方です。この処理をすることにより、二人の回転軸をずらすことなく、かつ、外回りの人と丁度良いタイミングで回転を終わらせることができます。ここをきちんと処理できる人とできない人とでは踊りの質に雲泥の差が出て来ますから、「上手になりたい人」はこの研究を怠らないでください。

 

ちなみに、ノー・フット・ライズを使わないとどうなるかと言うと: 

・内回りの人は、ヒールで送ってから2歩目をポイントする。 (その結果、外回りの人は希望の2歩目の位置より遠くに飛ばされます。) 

・内回りの人は、2歩目をポイントしてからヒールで送る。(その結果、外回りの人はポイントした2歩目に立とうとしても、更に外側に流されてしまいます。) 

・内回りの人は、トウでライズしながら2歩目をポイントする。(その結果、外回りの人は2歩目に出る運動を妨げられてしまいます。)

 

男性の内回り回転にもノー・フット・ライズは当然ありますよ!

 

(注)回転を伴わないNFR(男性のアウトサイド・チェンジ1歩目やスローに於けるNFR)ではボディー・ライズして行く中で次の足へとヒールで送ります。

 

ハッピー・ダンシング!