MA11 目は曲者

投稿者: | 2020年1月4日

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は目の話。ラテン用として、目の使い方と並んで役に立つ、内回り・外回りを考える参考動画を追加しました。

 

MA11 第1章 体に関する11の話
(第11話)目は曲者

 

「スタンダードでは、どこに焦点を当てて踊っていますか?」

遠方からの電話で、右のような質問をされました。電話を受けた妻は一瞬考えてから、

「どこにも当てていませんよ」

 

 

拙書「足型図でうまくなるダンス」(白夜書房)の中の“笑顔になる七つのヒント”にも書きましたが、スタンダードを踊るときは、目(目線)を固めないのがいいのです。

「僕はこうホールドをして、ネックはこの方向、目はあっち向けて!」とか、

「私の好きなラインはこれだから、こっちを向いて踊るわ」

という考えで、目線を定めてしまう人がいます。しかし、スタンダードで目線を定めると、体の動きを妨げることになります。

 

例えば、電車で進行方向に向かって座ります。電車が動き始め、プラットホームの誰かを見続けていると、顔はその人を追い続け、遂には体も回ってしまいます。

スタンダードのステップに直線的な動きはほとんどなく、大なり小なりの回転の連続ですから、その流れの中で、目は背骨の動きに合わせて自然に使いましょう。目で「何かを見よう」とするのではなく、周りの風景が「自然に入ってくると」考えれば良いでしょう。

 

一方、ラテンには、直線的な動きと、次の直線的な動きの間に瞬間的な切り返し(=回転)をするフィガーが多くあります。そうした場合、目線を一点に集中して動き、切り返しが起きたら、すかさず次の一点に集中するとシャープな動きが生まれます。

例えば、ルンバのオープン・ヒップ・ツイストの女性は、最初の3歩(バック、前進、前進)は男性の方を見続け、3歩目のカウント(4・1)の(1)のぎりぎり最後で顔を右に回転させるという具合です。

 

目は曲者です。固定観念にとらわれず、
背骨の動きに合わせてみましょう。

(「第1章 体に関する11の話(第11話)目は曲者」おわり)

 

 

 

■追加の話

上にラテンでの目の使い方について触れましたが、私たちのこの動画も参考にして下さい。ラテンが変わります。

 

ハッピー・ダンシング!